CONFLEX Tutorials

結晶構造の最適化

【エネルギーの定義】

結晶構造は、単位格子が並進対称性により周期的に配列した構造として定義できます (図1)。また、単位格子は、結晶の最小基本単位となる非対称単位と格子の形や大きさを定義する格子定数、単位格子内の対称性を定義する空間群により決まります。そのため、計算機シミュレーションにおいて、結晶は、非対称単位と、格子定数、空間群の対称性、結晶の並進対称性を利用して構築し、そのエネルギーEcrystalは非対称単位あたりのエネルギーとして式(1)で定義します。

Crystal Equations

ここで、Eintraは非対称単位内の分子内相互作用エネルギーの和であり、Elatticeは式(2)で定義します。式(2)において、EAUinterは、非対称単位内の分子間相互作用エネルギーの和であり、非対称単位が1分子である場合、値はゼロとなります。また、第2項は非対称単位内の分子と、対称性の適用により複製される結晶内分子との分子間相互作用エネルギーの和であり、非対称単位内分子との最近接原子間距離があらかじめ設定した閾値Rcrystalより近い複製分子と行います(図1)。 なおデフォルト設定では、静電相互作用の計算にEwald法を用いています。

Ewald法では、クーロンポテンシャルをReal space term: Φreal、Reciprocal space term:Φrecip、Self energy term: Φself、Surface term: Φsurfの4つの項に分けて評価します。なお、デフォルト設定でΦsurf項は計算しません。

EWald Equations

ここで、qは原子電荷、αはEwald収束パラメータ、|ri;S,J|は原子間距離、Vは単位格子の体積、nは逆格子ベクトル、riは単位格子内の原子の位置ベクトル、Zは単位格子内の最小基本単位の数を示します。パラメータαと逆空間のカットオフ距離は、実空間のカットオフ距離を元にエネルギーが10-8より小さくなるようそれぞれ自動に決めていますが、キーワードであらかじめ設定することもできます。

Crystal Model
図1. Crystal model

【結晶構造最適化の種類】

以下に示す、3種類の結晶構造最適化を行うことができます。なお、最適化過程で、空間群は維持されます。

結晶環境下での分子構造最適化(MOL)
結晶内分子の構造、回転、並進を、結晶環境下で最適化します。本最適化において、格子の大きさ(格子定数)は変化しません。
剛体分子近似下での結晶構造最適化(RIGID)
結晶内分子の回転、並進、および格子の大きさ(格子定数)を最適化します。本最適化において、分子構造は変化しません。
完全結晶構造最適化(ALL)
結晶構造を表現するすべての自由度(結晶内の分子の構造、回転、並進、および格子の大きさ)を最適化します。

【結晶構造最適化の実行】

マロン酸誘導体の一つであるヒドロキシマロン酸の結晶構造(Roelofsen, G.; Kanters, J.A.; Kroon, J.; Doesburg, H.M.; Koops, T. Acta Cryst.1978, B34, 2565.)を例に、結晶構造最適化を行う方法について説明します。なお、結晶構造最適化には、入力情報として、非対称単位の分子の原子座標と格子定数、また空間群が必要です。

Hydroxy Tartronic Acid
ヒドロキシマロン酸の分子構造

CMFファイルを用いる場合

ヒドロキシマロン酸の結晶構造を CIFMIF(Combined CIF and MIF file, CIF:Crystallographic Information File, MIF: Molecular Information File) 形式で用意し、これを入力ファイル(tartronicacid.cmf)として利用します。tartronicacid.cmfファイルはCONFLEXのインストールフォルダ内のSample_Filesフォルダにあります(Sample_Files\CONFLEX\crystal\optimization\cmf_file\tartronicacid.cmf)。

tartronicacid.cmfファイル

data_Tartronicacid
_symmetry_cell_setting ORTHORHOMBIC
_symmetry_space_group_name_H-M 'P212121 '
_ccdc_symmetry_space_group_name P212121 
_symmetry_Int_Tables_number 19
loop_
_symmetry_equiv_pos_site_id
_symmetry_equiv_pos_as_xyz
1 x,y,z 
2 1/2+x,1/2-y,-z 
3 -x,1/2+y,1/2-z 
4 1/2-x,-y,1/2+z 
_cell_length_a 4.49400
_cell_length_b 8.81900
_cell_length_c 10.88200
_cell_angle_alpha 90.00000
_cell_angle_beta 90.00000
_cell_angle_gamma 90.00000
_cell_formula_units_Z 4
_cell_volume 431.28180
_exptl_crystal_density_diffrn 1.84821
loop_
_ccdc_atom_site_atom_id_number
_atom_site_label
_atom_site_type_symbol
_atom_site_fract_x
_atom_site_fract_y
_atom_site_fract_z
_ccdc_atom_site_symmetry
_ccdc_atom_site_base
1 O1 O 1.12990 -0.13910 0.36040 1_555 1
2 O2 O 0.97510 0.09280 0.30700 1_555 2
3 O3 O 1.01480 0.11550 0.66290 1_555 3
4 O4 O 1.13030 -0.12820 0.62810 1_555 4
5 O5 O 0.57240 0.09790 0.48970 1_555 5
6 C1 C 0.97750 -0.01540 0.37600 1_555 6
7 C2 C 0.78810 -0.01520 0.49230 1_555 7
8 C3 C 0.99010 -0.00160 0.60420 1_555 8
9 H1 H 0.66800 -0.11200 0.49600 1_555 9
10 H2 H 0.60500 0.14900 0.45600 1_555 10
11 H3 H 1.23700 -0.13800 0.31000 1_555 11
12 H4 H 1.27100 -0.12000 0.68000 1_555 12
loop_
_atom_id
_atom_type
_atom_attach_nh
_atom_attach_h
_atom_charge
1 O 1 1 0
2 O 1 0 0
3 O 1 0 0
4 O 1 1 0
5 O 1 1 0
6 C 3 0 0
7 C 3 1 0
8 C 3 0 0
loop_
_bond_id_1
_bond_id_2
_bond_type_ccdc
_bond_environment
1 6 S chain
1 11 S chain
2 6 D chain
3 8 D chain
4 8 S chain
4 12 S chain
5 7 S chain
5 10 S chain
6 7 S chain
7 8 S chain
7 9 S chain

[Interfaceから実行する場合]

tartronicacid.cmfファイルをCONFLEX Interfaceを用いて開きます。

Interface CMF

Calculationメニューから「CONFLEX」を選択し、起動した計算設定ダイアログのDetail Settingsをクリックします。
次に、詳細設定ダイアログの「General Settings」ダイアログにある「Calculation Type:」のプルダウンメニューから「Molecular Crystal」を選択します。

General Settings

結晶計算に関する設定は、「Crystal Calculation」ダイアログで行います。

Crystal Calculation

「Crystal optimization:」のプルダウンメニューにより結晶構造最適化の種類を選択できます。デフォルトでは、「ALL」となります。また、本ダイアログでは、カットオフ距離や計算手法等の分子間相互作用計算に関する設定も可能です。

計算設定が終わりましたら、Submitをクリックします。計算が始まります。

[コマンドラインから実行する場合]

計算設定は、tartronicacid.iniファイルにキーワードを記述することで行います。

tartronicacid.iniファイル

CRYSTAL MMFF94S

「CRYSTAL」は、結晶計算を行うことを意味します。CONFLEXは、デフォルトで「ALL」の結晶構造最適化を行います。最適化の種類を変更したい場合は、「CRYSTAL_OPTIMIZATION=」キーワードを用いて、「CRYSTAL_OPTIMIZATION=MOL」などと記述します。
「MMFF94S」は、MMFF94s力場を用いて計算を行うことを意味します。

tartronicacid.cmfとtartronicacid.iniの二つのファイルを一つのフォルダに格納し、下記コマンドを実行してください。計算が始まります。

C:\CONFLEX\bin\flex9a_win_x64.exe   -par   C:\CONFLEX\par   tartronicacidenter

上記は、Windowsの場合です。他のOSにおける実行コマンドについては、本書の「実行方法」を参照してください。

CIFファイルを用いる場合

CIFファイルには、結晶計算に必要な非対称単位の分子の原子座標、格子定数、空間群の情報は記述されていますが、原子間の結合情報が記述されていません。結晶計算を行うためには、キーワード「CIF_BOND=」を用いて原子間の結合情報を設定する必要があります。
ここでは、ヒドロキシマロン酸の結晶構造をCIF形式で用意し、これを入力ファイル(tartronicacid.cif)として利用します。tartronicacid.cifファイルはCONFLEXのインストールフォルダ内のSample_Filesフォルダにあります(Sample_Files\CONFLEX\crystal\optimization\cif_file\tartronicacid.cif)。

tartronicacid.cifファイル

data_Tartronicacid
_symmetry_cell_setting ORTHORHOMBIC
_symmetry_space_group_name_H-M 'P212121 '
_symmetry_Int_Tables_number 19
loop_
_symmetry_equiv_pos_as_xyz
x,y,z 
-x+1/2,-y,z+1/2 
-x,y+1/2,-z+1/2 
x+1/2,-y+1/2,-z 
_cell_length_a 4.49400
_cell_length_b 8.81900
_cell_length_c 10.88200
_cell_angle_alpha 90.00000
_cell_angle_beta 90.00000
_cell_angle_gamma 90.00000
_cell_formula_units_Z 4
_cell_volume 431.28180
loop_
_atom_site_label
_atom_site_type_symbol
_atom_site_fract_x
_atom_site_fract_y
_atom_site_fract_z
O1 O 1.12990 -0.13910 0.36040
O2 O 0.97510 0.09280 0.30700
O3 O 1.01480 0.11550 0.66290
O4 O 1.13030 -0.12820 0.62810
O5 O 0.57240 0.09790 0.48970
C1 C 0.97750 -0.01540 0.37600
C2 C 0.78810 -0.01520 0.49230
C3 C 0.99010 -0.00160 0.60420
H1 H 0.66800 -0.11200 0.49600
H2 H 0.60500 0.14900 0.45600
H3 H 1.23700 -0.13800 0.31000
H4 H 1.27100 -0.12000 0.68000

[Interfaceから実行する場合]

tartronicacid.cifファイルをCONFLEX Interfaceを用いて開きます。

Interface CIF

Calculationメニューから「CONFLEX」を選択し、起動した計算設定ダイアログのDetail Settingsをクリックします。
次に、詳細設定ダイアログの「General Settings」ダイアログにある「Calculation Type:」のプルダウンメニューから「Molecular Crystal」を選択します。

General Settings

結晶計算に関する設定は、「Crystal Calculation」ダイアログで行います。

Crystal Calculation

「Crystal optimization:」のプルダウンメニューにより結晶構造最適化の種類を選択できます。デフォルトでは、「ALL」となります。また、本ダイアログでは、カットオフ距離や計算手法等の分子間相互作用計算に関する設定も可能です。
計算設定が終わりましたら、Edit & Submitをクリックします。

計算設定のキーワードが記述されたダイアログが表示されます。

Edit and Submit

ここで、結合次数を修正します。
CONFLEX Interfaceでは、原子間距離から結合していると考えられる原子ペアについて「CIF_BOND=」で結合情報を設定しますが、結合次数は「1」となります。
ヒドロキシマロン酸の原子2と原子6、原子3と原子8の各結合は、それぞれ二重結合なので(下図)、「CIF_BOND=(2,6,1)」は「CIF_BOND=(2,6,2)」に、「CIF_BOND=(3,8,1)」は「CIF_BOND=(3,8,2)」に修正します。なお、「CIF_BOND=」キーワードの書式は、原子i-j間にn重結合を指定する場合「CIF_BOND=(i,j,n)」となります。原子の通し番号は、下図で確認してください。

Atom Numbers
*分子の表示スタイルの変更や原子の通し番号の表示は、Viewメニューからできます。

修正が終わりましたら、Submitをクリックします。計算が始まります。

[コマンドラインから実行する場合]

計算設定は、tartronicacid.iniファイルにキーワードを記述することで行います。

tartronicacid.iniファイル

CRYSTAL MMFF94S
CIF_BOND=(1,6,1) 
CIF_BOND=(1,11,1) 
CIF_BOND=(2,6,2) 
CIF_BOND=(3,8,2) 
CIF_BOND=(4,8,1) 
CIF_BOND=(4,12,1) 
CIF_BOND=(5,7,1) 
CIF_BOND=(5,10,1) 
CIF_BOND=(6,7,1) 
CIF_BOND=(7,8,1) 
CIF_BOND=(7,9,1) 

「CRYSTAL」は、結晶計算を行うことを意味します。CONFLEXは、デフォルトで「ALL」の結晶構造最適化を行います。最適化の種類を変更したい場合は、「CRYSTAL_OPTIMIZATION=」キーワードを用いて、「CRYSTAL_OPTIMIZATION=MOL」などと記述します。
「MMFF94S」は、MMFF94s力場を用いて計算を行うことを意味します。
「CIF_BOND=」は、ヒドロキシマロン酸分子の結合情報を設定しています。「CIF_BOND=」キーワードの書式は、原子i-j間にn重結合を指定する場合「CIF_BOND=(i,j,n)」となります。

tartronicacid.cifとtartronicacid.iniの二つのファイルを一つのフォルダに格納し、下記コマンドを実行してください。計算が始まります。

C:\CONFLEX\bin\flex9a_win_x64.exe   -par   C:\CONFLEX\par   tartronicacidenter

上記は、Windowsの場合です。他OSにおける実行コマンドについては、本書の「実行方法」を参照してください。

MOLファイルを用いる場合

MDL-MOLファイルに記述される分子が、非対称単位となります。MDL-MOLファイルを利用して結晶計算を行う場合は、ファイルに記述される分子の向きやXYZ座標上の空間位置を適切に設定することが重要です。分子の空間位置によっては、対称操作による分子の展開後、複数の分子が重なって配置されることがあります。
ここでは、ヒドロキシマロン酸の結晶構造の非対称単位をMDL-MOL形式で用意し、これを入力ファイル(tartronicacid.mol)として利用します。tartronicacid.molファイルはCONFLEXのインストールフォルダ内のSample_Filesフォルダにあります(Sample_Files\CONFLEX\crystal\optimization\mol_file\tartronicacid.mol)。

tartronicacid.molファイル

Tartronicacid.mol


 12 11  0  0  0  0  0  0  0  0  1 V2000
    5.0778   -1.2267    3.9219 O   0  0  0  0  0
    4.3821    0.8184    3.3408 O   0  0  0  0  0
    4.5605    1.0186    7.2137 O   0  0  0  0  0
    5.0796   -1.1306    6.8350 O   0  0  0  0  0
    2.5724    0.8634    5.3289 O   0  0  0  0  0
    4.3929   -0.1358    4.0916 C   0  0  0  0  0
    3.5417   -0.1340    5.3572 C   0  0  0  0  0
    4.4495   -0.0141    6.5749 C   0  0  0  0  0
    3.0020   -0.9877    5.3975 H   0  0  0  0  0
    2.7189    1.3140    4.9622 H   0  0  0  0  0
    5.5591   -1.2170    3.3734 H   0  0  0  0  0
    5.7119   -1.0583    7.3998 H   0  0  0  0  0
  1  6  1  0  0
  1 11  1  0  0
  2  6  2  0  0
  3  8  2  0  0
  4  8  1  0  0
  4 12  1  0  0
  5  7  1  0  0
  5 10  1  0  0
  6  7  1  0  0
  7  8  1  0  0
  7  9  1  0  0
M  END

[Interfaceから実行する場合]

tartronicacid.molファイルをCONFLEX Interfaceを用いて開きます。

Interface MOL

Calculationメニューから「CONFLEX」を選択し、開いた計算設定ダイアログのDetail Settingsをクリックします。
次に、詳細設定ダイアログの「General Settings」ダイアログにある「Calculation Type:」のプルダウンメニューから「Molecular Crystal」を選択します。

General Settings

結晶計算に関する設定は、「Crystal Calculation」ダイアログで行います。

Crystal Opt

「Crystal optimization:」のプルダウンメニューにより結晶構造最適化の種類を選択できます。デフォルトでは、「ALL」となります。
また、本ダイアログでは、カットオフ距離や計算手法等の分子間相互作用計算に関する設定も可能です。

MDL-MOLファイルには空間群と格子定数に関する記述がないので、本ダイアログで設定します。
まず空間群を設定するため、「Space Group」のプルダウンメニューから、P212121、を選択します。次に、格子定数を設定するため、Lattice Constantsのチェックボックスにチェックをいれ、格子定数を入力します。ヒドロキシマロン酸の結晶構造の格子定数は、a=4.494 Å,b=8.819 Å,c=10.882 Å,α=90.0 °,β=90.0 °,γ=90.0 °です。

Crystal Opt Settings

計算設定が終わりましたら、Submitをクリックします。計算が始まります。

[コマンドラインから実行する場合]

計算設定は、tartronicacid.iniファイルにキーワードを記述することで行います。

tartronicacid.iniファイル

CRYSTAL MMFF94S
SPACE_GROUP=P212121
LATTICE_CONSTANT=(4.494,8.819,10.882,90.0,90.0,90.0) 

「CRYSTAL」は、結晶計算を行うことを意味します。CONFLEXは、デフォルトで「ALL」の結晶構造最適化を行います。
最適化の種類を変更したい場合は、「CRYSTAL_OPTIMIZATION=」キーワードを用いて、「CRYSTAL_OPTIMIZATION=MOL」などと記述します。
「MMFF94S」は、MMFF94s力場を用いて計算を行うことを意味します。
また、MDL-MOLファイルには空間群と格子定数に関する記述がないため、「SPACE_GROUP=」と「LATTICE_CONSTANT=」キーワードを用いてそれぞれ設定しています。ヒドロキシマロン酸の結晶構造の空間群はP212121であり、格子定数は、a=4.494 Å,b=8.819 Å,c=10.882 Å,α=90.0 °,β=90.0 °,γ=90.0 °です。

tartronicacid.molとtartronicacid.iniの二つのファイルを一つのフォルダに格納し、下記コマンドを実行してください。計算が始まります。

C:\CONFLEX\bin\flex9a_win_x64.exe   -par   C:\CONFLEX\par   tartronicacidenter

上記は、Windowsの場合です。他OSにおける実行コマンドについては、本書の「実行方法」を参照してください。

【指定分子の構造・位置を固定した結晶構造最適化】

非対称単位に複数の分子が含まれる場合、特定の分子の構造や位置を固定しながら結晶構造最適化を行うことができます。
ここでは、例としてブチルパラベン–イソニコチンアミド共結晶を取り上げます。
Bhardwajらの論文(R. M. Bhardwaj, H. Yang and A. J. Florence, Acta Cryst. (2016). E72, 53-55)のSupporting informationから「cv5494sup1.cif」を取得し、CONFLEXで扱えるように修正した「BPN-ISN.cif」を下記に示します。BPN-ISN.cifファイルはCONFLEXのインストールフォルダ内のSample_Filesフォルダにあります(Sample_Files\CONFLEX\crystal\molecular.fixing\BPN-ISN.cif)。

BPN-ISN.cifファイル

data_I
_symmetry_cell_setting     triclinic
_symmetry_Int_Tables_number 2
_symmetry_space_group_name_H-M     'P-1'
loop_
_symmetry_equiv_pos_as_xyz
x,y,z
-x,-y,-z
_cell_length_a     5.6257(6)
_cell_length_b     9.8661(11)
_cell_length_c     14.3979(15)
_cell_angle_alpha     90.834(7)
_cell_angle_beta     91.431(7)
_cell_angle_gamma     91.645(7)
_cell_volume     798.47(15)
_cell_formula_units_Z     2
loop_
_atom_site_type_symbol
_atom_site_label
_atom_site_fract_x
_atom_site_fract_y
_atom_site_fract_z
_atom_site_U_iso_or_equiv
_atom_site_adp_type
_atom_site_calc_flag
_atom_site_occupancy
_atom_site_disorder_assembly
_atom_site_disorder_group
H H1N -0.623(3) 1.480(2) 1.4226(13) 0.019(5) Uiso d 1 . .
H H2N -0.626(4) 1.399(2) 1.3256(16) 0.035(6) Uiso d 1 . .
H H3O 0.140(5) 0.939(3) 1.1807(17) 0.054(7) Uiso d 1 . .
O O4 0.1197(2) 0.47988(13) 0.82145(8) 0.0227(3) Uani d 1 . .
O O1 -0.2641(2) 1.38157(14) 1.49057(9) 0.0275(3) Uani d 1 . .
N N1 -0.5594(3) 1.41555(17) 1.38514(11) 0.0238(4) Uani d 1 . .
O O2 0.2637(2) 0.88155(15) 1.16227(9) 0.0308(4) Uani d 1 . .
N N2 -0.0392(3) 1.05682(16) 1.24155(10) 0.0234(4) Uani d 1 . .
O O3 -0.2134(2) 0.59634(14) 0.80166(9) 0.0297(3) Uani d 1 . .
C C13 -0.0315(3) 0.57543(19) 0.84578(12) 0.0207(4) Uani d 1 . .
C C7 0.2633(3) 0.63083(19) 0.97609(12) 0.0220(4) Uani d 1 . .
H H8 0.3619 0.5641 0.9542 0.026 Uiso calc 1 . .
C C6 -0.3631(3) 1.35566(18) 1.41440(12) 0.0194(4) Uani d 1 . .
C C12 0.0462(3) 0.65243(18) 0.93023(12) 0.0190(4) Uani d 1 . .
C C14 0.0586(3) 0.40447(19) 0.73615(12) 0.0223(4) Uani d 1 . .
H H15A 0.0438 0.4660 0.6845 0.027 Uiso calc 1 . .
H H15B -0.0918 0.3552 0.7423 0.027 Uiso calc 1 . .
C C8 0.3330(3) 0.7076(2) 1.05364(13) 0.0239(4) Uani d 1 . .
H H9 0.4775 0.6920 1.0839 0.029 Uiso calc 1 . .
C C2 -0.0520(3) 1.18936(19) 1.38204(13) 0.0234(4) Uani d 1 . .
H H2 0.0162 1.2121 1.4399 0.028 Uiso calc 1 . .
C C10 -0.0302(3) 0.83018(19) 1.04128(12) 0.0229(4) Uani d 1 . .
H H11 -0.1290 0.8969 1.0631 0.027 Uiso calc 1 . .
C C16 0.2264(3) 0.2420(2) 0.62252(13) 0.0242(4) Uani d 1 . .
H H17A 0.0722 0.1955 0.6171 0.029 Uiso calc 1 . .
H H17B 0.2306 0.3126 0.5764 0.029 Uiso calc 1 . .
C C5 -0.3533(3) 1.21153(19) 1.26476(12) 0.0213(4) Uani d 1 . .
H H6 -0.4918 1.2498 1.2420 0.026 Uiso calc 1 . .
C C15 0.2548(3) 0.30708(19) 0.71924(12) 0.0220(4) Uani d 1 . .
H H16A 0.2511 0.2370 0.7658 0.026 Uiso calc 1 . .
H H16B 0.4075 0.3551 0.7248 0.026 Uiso calc 1 . .
C C1 -0.2580(3) 1.25031(18) 1.35125(12) 0.0185(4) Uani d 1 . .
C C9 0.1866(3) 0.80852(19) 1.08652(12) 0.0221(4) Uani d 1 . .
C C11 -0.0986(3) 0.75279(19) 0.96404(12) 0.0223(4) Uani d 1 . .
H H12 -0.2437 0.7680 0.9342 0.027 Uiso calc 1 . .
C C3 0.0504(3) 1.0945(2) 1.32551(13) 0.0251(4) Uani d 1 . .
H H3 0.1888 1.0544 1.3467 0.030 Uiso calc 1 . .
C C4 -0.2387(3) 1.11486(19) 1.21283(13) 0.0240(4) Uani d 1 . .
H H5 -0.3042 1.0892 1.1551 0.029 Uiso calc 1 . .
C C17 0.4194(4) 0.1414(2) 0.60224(14) 0.0314(5) Uani d 1 . .
H H18A 0.5725 0.1869 0.6068 0.047 Uiso calc 1 . .
H H18B 0.3946 0.1042 0.5407 0.047 Uiso calc 1 . .
H H18C 0.4130 0.0696 0.6465 0.047 Uiso calc 1 . .

[Interfaceから実行する場合]

BPN-ISN.cifファイルをCONFLEX Interfaceを用いて開きます。

Interface BPN-ISN

Calculationメニューから「CONFLEX」を選択し、開いた計算設定ダイアログのDetail Settingsをクリックします。
次に、詳細設定ダイアログの「General Settings」ダイアログにある「Calculation Type:」のプルダウンメニューから「Molecular Crystal」を選択します。

General Settings

結晶計算に関する設定は、「Crystal Calculation」ダイアログで行います。

Crystal Opt

「Crystal optimization」のプルダウンメニューにより、「Molecule」を選択します。指定分子の構造・位置を固定した結晶構造最適化では、他の手法は選択できません。
次に、Edit & Submitをクリックします。

計算設定のキーワードが記述されたダイアログが表示されます。

Edit and Submit BPN-ISN

構造や位置を固定したい分子は、「CRYSTAL_FIXED_MOL=」キーワードにより指定します。
入力ファイルに含まれるすべての分子は、原子の通し番号に従って、それぞれ分子番号が決められます。「BPN-ISN.cifファイル」の場合、分子番号は、イソニコチンアミドが「1」、ブチルパラベンが「2」です。ここでは、ブチルパラベンの構造・位置を固定するとして、「CRYSTAL_FIXED_MOL=2」キーワードを追加します。なお、ブチルパラベンの水素原子位置は固定せずに最適化計算に含めたい場合、「CRYSTAL_FIXED_MOL=EXCLUDE_HYDROGEN」を合わせて追加してください。

次に、結合次数を修正します。
CONFLEX Interfaceでは、原子間距離から結合していると考えられる原子ペアについて「CIF_BOND=」で結合情報を設定しますが、結合次数は「1」となります。そのため、二重結合部分(下図)は、下記の通り修正する必要があります。

CIF_BOND=(5,13,1) → CIF_BOND=(5,13,2)
CIF_BOND=(8,38,1) → CIF_BOND=(8,38,2)
CIF_BOND=(9,10,1) → CIF_BOND=(9,10,2)
CIF_BOND=(11,14,1) → CIF_BOND=(11,14,2)
CIF_BOND=(18,33,1) → CIF_BOND=(18,33,2)
CIF_BOND=(20,36,1) → CIF_BOND=(20,36,2)
CIF_BOND=(22,34,1) → CIF_BOND=(22,34,2)
CIF_BOND=(27,32,1) → CIF_BOND=(27,32,2)

なお、「CIF_BOND=」キーワードの書式は、原子i-j間にn重結合を指定する場合「CIF_BOND=(i,j,n)」となります。

BPN-ISN Numbers
*分子の表示スタイルの変更や原子の通し番号の表示は、Viewメニューからできます。

変更後のダイアログを下記に示します。

Edit Submit Modified

修正が終わりましたら、Submitをクリックすると、計算が始まります。最適化結晶構造におけるブチルパラベの構造や位置は、初期構造と等価です。

[コマンドラインから実行する場合]

計算設定は、BPN-ISN.iniファイルにキーワードを記述することで行います。

BPN-ISN.iniファイル

CRYSTAL MMFF94S
CRYSTAL_OPTIMIZATION=MOL 
CRYSTAL_FIXED_MOL=2 
CIF_BOND=(1,6,1)
CIF_BOND=(2,6,1)
CIF_BOND=(3,7,1)
CIF_BOND=(4,10,1)
CIF_BOND=(4,15,1)
CIF_BOND=(5,13,2)
CIF_BOND=(6,13,1)
CIF_BOND=(7,33,1)
CIF_BOND=(8,38,2)
CIF_BOND=(8,36,1)
CIF_BOND=(9,10,2)
CIF_BOND=(10,14,1)
CIF_BOND=(11,12,1)
CIF_BOND=(11,18,1)
CIF_BOND=(11,14,2)
CIF_BOND=(13,32,1)
CIF_BOND=(14,34,1)
CIF_BOND=(15,17,1)
CIF_BOND=(15,16,1)
CIF_BOND=(15,29,1)
CIF_BOND=(18,19,1)
CIF_BOND=(18,33,2)
CIF_BOND=(20,21,1)
CIF_BOND=(20,36,2)
CIF_BOND=(20,32,1)
CIF_BOND=(22,23,1)
CIF_BOND=(22,34,2)
CIF_BOND=(22,33,1)
CIF_BOND=(24,26,1)
CIF_BOND=(24,25,1)
CIF_BOND=(24,40,1)
CIF_BOND=(24,29,1)
CIF_BOND=(27,28,1)
CIF_BOND=(27,38,1)
CIF_BOND=(27,32,2)
CIF_BOND=(29,31,1)
CIF_BOND=(29,30,1)
CIF_BOND=(34,35,1)
CIF_BOND=(36,37,1)
CIF_BOND=(38,39,1)
CIF_BOND=(40,42,1)
CIF_BOND=(40,41,1)
CIF_BOND=(40,43,1)

結晶構造最適化において、構造や位置を固定したい分子は、「CRYSTAL_FIXED_MOL=」キーワードにより指定します。入力ファイルに含まれるすべての分子は、原子の通し番号に従って、それぞれ分子番号が決められます。「BPN-ISN.cifファイル」の場合、分子番号は、イソニコチンアミドが「1」、ブチルパラベンが「2」です。ここでは、ブチルパラベンの構造・位置を固定するとして、「CRYSTAL_FIXED_MOL=2」をiniファイルに記述します。
なお、ブチルパラベンの水素原子位置は固定せずに最適化計算に含めたい場合、「CRYSTAL_FIXED_MOL=EXCLUDE_HYDROGEN」を合わせて記述してください。結晶構造最適化手法は「CRYSTAL_OPTIMIZATION=MOL」のみ選択できます。

なお、「CRYSTAL」は結晶計算を行うことを意味し、「MMFF94S」はMMFF94s力場を用いることを意味します。また、イソニコチンアミド分子とブチルパラベン分子の結合情報を「CIF_BOND=」キーワードを用いて設定します。「CIF_BOND=」キーワードの書式は、原子i-j間にn重結合を指定する場合「CIF_BOND=(i,j,n)」となります。

BPN-ISN.cifとBPN-ISN.iniの二つのファイルを一つのフォルダに格納し、下記コマンドを実行してください。計算が始まります。最適化結晶構造におけるブチルパラベの構造や位置は、初期構造と等価です。

C:\CONFLEX\bin\flex9a_win_x64.exe   -par   C:\CONFLEX\par   BPN-ISNenter

上記は、Windowsの場合です。他OSにおける実行コマンドについては、本書の「実行方法」を参照してください。

【構造最適化計算の出力ファイル】

最適化計算の終了後、以下のファイルが出力されます。

ファイルの種類 説明
(入力ファイル名).bso 結晶計算に関する詳細情報が出力されます。
(入力ファイル名).ical 初期構造、最適化構造に関する粉末X線回折データが出力されます。
(入力ファイル名)-F.cmf 最適化後の結晶構造データがCIFMIF形式で出力されます(cmf/molファイルが入力の場合)。
(入力ファイル名)-F.cif 最適化後の結晶構造データがCIF形式で出力されます(cifファイルが入力の場合)。

bsoファイルに出力される「CRYSTAL STRUCTURE INFORMATION」は、構築した結晶モデルに関する情報や各種エネルギー値を記述しています。本データは初期結晶構造と最適化結晶構造の両構造について出力されます。
以下に、”tartronicacid.bso”の内容の一部を示します。

 --------------------------  CRYSTAL STRUCTURE INFORMATION  --------------------------

                          CRYSTAL SYSTEM:   ORTHORHOMBIC   
                        SPACE GROUP NAME:   P212121 
                                  NUMBER:      19

         SYMMETRY EQUIVALENT POSITION  1:   x,y,z                    
                                       2:   1/2+x,1/2-y,-z           
                                       3:   -x,1/2+y,1/2-z           
                                       4:   1/2-x,-y,1/2+z           

                       CELL LENGTHS    a:        4.4940 ANGSTROM
                                       b:        8.8190
                                       c:       10.8820
                       CELL ANGLES alpha:       90.0000 DEGREE
                                    beta:       90.0000
                                   gamma:       90.0000

                            CELL  VOLUME:      431.2818 ANGSTROM**3
                            CELL DENSITY:        1.8482 MG/M**3

                                 Z      :        4 (ZCFX:      4)

                    CRYSTAL RADIUS (VDW):       20.00 ANGSTROM
              CRYSTAL RADIUS (COULOMBIC):       20.00 ANGSTROM
                      CRYSTAL PACKING GA:         15 (PGA:         8  NGA:        -7)
                                      GB:         11 (PGB:         6  NGB:        -5)
                                      GC:          9 (PGC:         5  NGC:        -4)

        NUM. OF ATOMS IN ASYMMETRIC UNIT:         12
        NUM. OF MOLS  IN ASYMMETRIC UNIT:          1
              NUM. OF ATOMS IN UNIT CELL:         48
           NUM. OF CALCULATED UNIT CELLS:        195
      NUM. OF CALCULATED MOLECULES (VDW):        513
          NUM. OF CALCULATED ATOMS (VDW):       6156
  NUM. OF CALCULATED MOLECULES (COULOM.):        513
      NUM. OF CALCULATED ATOMS (COULOM.):       6156

                   INTRAMOLECULAR ENERGY:      258.8731 KCAL/MOL
                          LATTICE ENERGY:      -22.4774 KCAL/MOL
                          CRYSTAL ENERGY:      236.3957 KCAL/MOL
キーワード 説明
CRYSTAL RADIUS(VDW): vdW相互作用のカットオフ距離(有効結晶半径)を示します。
CRYSTAL RADIUS(COULOMBIC): 静電相互作用の実空間におけるカットオフ距離(有効結晶半径)を示します。
CRYSTAL PACKING GA GB GC: a軸、b軸、c軸方向への単位格子の展開領域を示します。
NUM. OF ATOMS IN ASYMMETRIC UNIT: 非対称単位の総原子数を示します。
NUM. OF MOLS IN ASYMMETRIC UNIT: 非対称単位の総分子数を示します。
NUM. OF ATOMS IN UNIT CELL: 単位格子内の総原子数を示します。
NUM. OF CALCULATED UNIT CELLS: 計算に含まれる総単位格子数を示します。
NUM. OF CALCULATED MOLECULES (VDW): vdW相互作用計算に含まれる総分子数を示します。
NUM. OF CALCULATED ATOMS (VDW): vdW相互作用計算に含まれる総原子数を示します。
NUM. OF CALCULATED MOLECULES (COULOM.) 静電相互作用計算に含まれる総分子数を示します(実空間)。
NUM. OF CALCULATED ATOMS (COULOM.): 静電相互作用計算に含まれる総原子数を示します(実空間)。
INTRAMOLECULAR ENERGY: Eintraを示します
LATTICE ENERGY: Elatticeを示します。
CRYSTAL ENERGY: Ecrystalを示します。

icalファイルには、初期構造(NAME: INITIAL STRUCTURE)、最適化構造(NAME: FINAL STRUCTURE)に関する粉末X線回折データが出力されます。
デフォルトでは、X線源はCu Kα1が利用され、2θの範囲は、0~50 deg.となります。また、刻み幅は0.02 deg.です。これらは、キーワードにより変更できます。詳細はマニュアルを参照してください。
以下に、”tartronicacid.ical”の内容の一部を示します。

 ------------ SIMULATED POWDER PATTERNS ------------
    CID:     1
   NAME: INITIAL STRUCTURE             
  X-RAY: Cu (KA1)
   WAVE: 1.54059290
2*THETA:   0.000 -  50.000 ,   0.020 STEP

 H   K   L  2*THETA       INTENSITY         d
            (DEGREE)                   (ANGSTROME)
 0   0   0    0.000           0.000      0.00000
 0   0   0    0.020           0.000      0.00000
 0   0   0    0.040           0.000      0.00000
 0   0   0    0.060           0.000      0.00000
 0   0   0    0.080           0.000      0.00000
 0   0   0    0.100           0.000      0.00000
 
 (中略)

------------ SIMULATED POWDER PATTERNS ------------
    CID:     2
   NAME: FINAL STRUCTURE               
  X-RAY: Cu (KA1)
   WAVE: 1.54059290
2*THETA:   0.000 -  50.000 ,   0.020 STEP

 H   K   L  2*THETA       INTENSITY         d
            (DEGREE)                   (ANGSTROME)
 0   0   0    0.000           0.000      0.00000
 0   0   0    0.020           0.000      0.00000
 0   0   0    0.040           0.000      0.00000
 0   0   0    0.060           0.000      0.00000
 0   0   0    0.080           0.000      0.00000
 0   0   0    0.100           0.000      0.00000

 (中略)

【計算結果の可視化】

[Interfaceから実行した場合]

計算実行後、CONFLEX Interfaceの下部にJob Managerが現れます。Job Managerには、実行した計算の状態が表示されます。結晶構造最適化を行ったJobのStateがFinishedであることを確認し、表示部分(赤枠部分)をダブルクリックしてください。最適化後の結晶構造データが出力されたファイル(入力ファイル名-F.cmf、あるいは、入力ファイル名-F.cif)が開き、最適化構造が描画されます。

Interface Job Manager

また、最適化構造を描画した後、「Application」メニューから「Spectra_Analyzer」を選択することで、回折パターンを可視化させることができます。

Crystal PXRD

[コマンドラインから実行した場合]

入力ファイルを格納したフォルダに、最適化後の結晶構造データが出力されたファイル (入力ファイル名-F.cmf、あるいは、入力ファイル名-F.cif)があります。これを、CONFLEX Interfaceで開くことで、最適化構造を可視化できます。

Interface Opt Struct

また、最適化構造を描画した後、「Application」メニューから「Spectra_Analyzer」を選択することで、回折パターンを可視化させることができます。

Crystal PXRD

【利用可能な空間群】

Internationa Table Number Space group name
1 P1
2 P-1
3 P2 unique axis b
3 P2 unique axis c
4 P21 unique axis b
4 P21 unique axis c
5 C2 unique axis b
5 C2 unique axis c
6 PM unique axis b
6 PM unique axis c
7 PC unique axis b
7 PC unique axis c
8 CM unique axis b
8 CM unique axis c
9 CC unique axis b
9 CC unique axis c
10 P2/M unique axis b
10 P2/M unique axis c
11 P21/M unique axis b
11 P21/M unique axis c
12 C2/M unique axis b
12 C2/M unique axis c
13 P2/C unique axis b
13 P2/C unique axis c
14 P21/C unique axis b
14 P21/C unique axis c
15 C2/C unique axis b
15 C2/C unique axis c
16 P222
17 P2221
18 P21212
19 P212121
20 C2221
21 C222
22 F222
23 I222
24 I212121
25 PMM2
26 PMC21
27 PCC2
28 PMA2
29 PCA21
30 PNC2
31 PMN21
32 PBA2
33 PNA21
34 PNN2
35 CMM2
36 CMC21
37 CCC2
38 AMM2
39 ABM2
40 AMA2
41 ABA2
42 FMM2
43 FDD2
44 IMM2
45 IBA2
46 IMA2
47 PMMM
48 PNNN origin choice 1
48 PNNN origin choice 2
49 PCCM
50 PBAN origin choice 1
50 PBAN origin choice 2
51 PMMA
52 PNNA
53 PMNA
54 PCCA
55 PBAM
56 PCCN
57 PBCM
58 PNNM
59 PMMN origin choice 1
59 PMMN origin choice 2
60 PBCN
61 PBCA
62 PNMA
63 CMCM
64 CMCA
65 CMMM
66 CCCM
67 CMMA
68 CCCA origin choice 1
68 CCCA origin choice 2
69 FMMM
70 FDDD origin choice 1
70 FDDD origin choice 2
71 IMMM
72 IBAM
73 IBCA
74 IMMA
75 P4
76 P41
77 P42
78 P43
79 I4
80 I41
81 P-4
82 I-4
83 P4/M
84 P42/M
85 P4/N origin choice 1
85 P4/N origin choice 2
86 P42/N origin choice 1
86 P42/N origin choice 2
87 I4/M
88 I41/A origin choice 1
88 I41/A origin choice 2
89 P422
90 P4212
91 P4122
92 P41212
93 P4222
94 P42212
95 P4322
96 P43212
97 I422
98 I4122
99 P4MM
100 P4BM
101 P42CM
102 P42NM
103 P4CC
104 P4NC
105 P42MC
106 P42BC
107 I4MM
108 I4CM
109 I41MD
110 I41CD
111 P-42M
112 P-42C
113 P-421M
114 P-421C
115 P-4M2
116 P-4C2
117 P-4B2
118 P-4N2
119 I-4M2
120 I-4C2
121 I-42M
122 I-42D
123 P4/MMM
124 P4/MCC
125 P4/NBM origin choice 1
125 P4/NBM origin choice 2
126 P4/NNC origin choice 1
126 P4/NNC origin choice 2
127 P4/MBM
128 P4/MNC
129 P4/NMM origin choice 1
129 P4/NMM origin choice 2
130 P4/NCC origin choice 1
130 P4/NCC origin choice 2
131 P42/MMC
132 P42/MCM
133 P42/NBC origin choice 1
133 P42/NBC origin choice 2
134 P42/NNM origin choice 1
134 P42/NNM origin choice 2
135 P42/MBC
136 P42/MNM
137 P42/NMC origin choice 1
137 P42/NMC origin choice 2
138 P42/NCM origin choice 1
138 P42/NCM origin choice 2
139 I4/MMM
140 I4/MCM
141 I41/AMD origin choice 1
141 I41/AMD origin choice 2
142 I41/ACD origin choice 1
142 I41/ACD origin choice 2
143 P3
144 P31
145 P32
146 R3 hexagonal axes
146 R3 rhombohedral axes
147 P-3
148 R-3 hexagonal axes
148 R-3 rhombohedral axes
149 P312
150 P321
151 P3112
152 P3121
153 P3212
154 P3221
155 R32 hexagonal axes
155 R32 rhombohedral axes
156 P3M1
157 P31M
158 P3C1
159 P31C
160 R3M hexagonal axes
160 R3M rhombohedral axes
161 R3C hexagonal axes
161 R3C rhombohedral axes
162 P-31M
163 P-31C
164 P-3M1
165 P-3C1
166 R-3M hexagonal axes
166 R-3M rhombohedral axes
167 R-3C hexagonal axes
167 R-3C rhombohedral axes
168 P6
169 P61
170 P65
171 P62
172 P64
173 P63
174 P-6
175 P6/M
176 P63/M
177 P622
178 P6122
179 P6522
180 P6222
181 P6422
182 P6322
183 P6MM
184 P6CC
185 P63CM
186 P63MC
187 P-6M2
188 P-6C2
189 P-62M
190 P-62C
191 P6/MMM
192 P6/MCC
193 P63/MCM
194 P63/MMC
195 P23
196 F23
197 I23
198 P213
199 I213
200 PM-3
201 PN-3 origin choice 1
201 PN-3 origin choice 2
202 FM-3
203 FD-3 origin choice 1
203 FD-3 origin choice 2
204 IM-3
205 PA-3
206 IA-3
207 P432
208 P4232
209 F432
210 F4132
211 I432
212 P4332
213 P4132
214 I4132
215 P-43M
216 F-43M
217 I-43M
218 P-43N
219 F-43C
220 I-43D
221 PM-3M
222 PN-3N origin choice 1
222 PN-3N origin choice 2
223 PM-3N
224 PN-3M origin choice 1
224 PN-3M origin choice 2
225 FM-3M
226 FM-3C
227 FD-3M origin choice 1
227 FD-3M origin choice 2
228 FD-3C origin choice 1
228 FD-3C origin choice 2
229 IM-3M
230 IA-3D

【利用可能なX線源】

Kα1 wavelength (Ang.)
Mg 9.889554
Al 8.339514
Si 7.125588
S 5.3722
Cl 4.727818
Ar 4.191938
K 3.7412838
Cr 2.289726
Mn 2.101854
Fe 1.936041
Co 1.788996
Ni 1.65793
Cu 1.5405929
Ga 1.340127
As 1.175956
Se 1.10478
Br 1.039756
Kr 0.980267
Zr 0.7859579
Mo 0.70931715
Ru 0.6430994
Rh 0.6132937
Pd 0.5854639
Ag 0.55942178
Cd 0.5350147
In 0.5121251
Sn 0.4906115
Sb 0.47037
Xe 0.4163508
Ba 0.38512464
Nd 0.33185689
Pm 0.3201648
Sm 0.30904506
Ho 0.2607608
Er 0.25237359
Tm 0.24434486
W 0.20901314
Au 0.1801978
Pb 0.16537816
Bi 0.1607903