構造最適化キーワード
キーワード | オプション | 説明 |
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OPT= デフォルトは完全対角Newton-Raphson法 (NEWTON) 例:OPT=CONGRD |
構造最適化手法の選択: | |
STEEPD | 最急降下法 | |
CONGRD | 共役勾配法 | |
VARMET | 可変計量法 | |
NEWTON | 完全対角Newton-Raphson法 | |
NONE | “OPT=NONE”を指定した場合は、入力構造に対するエネルギー計算のみ実行する。 | |
FAST | “FAST”は巨大分子用の特別な指定で、以下の指定を行った場合に対応する:“OPT=CONGRD TG=1.0 GCONV_CG=1.0D-3 XCONV_CG=1.0D-4” | |
PRECISE | “PRECISE”は、以下の設定条件で最急降下法、共役勾配法、完全対角Newton-Raphson法を順に実行する:“TG=1.0 GCONV_CG=1.0D-3 XCONV_CG=1.0D-4 GCONV_NR=1.0D-6 XCONV_NR=1.0D-6” | |
FMF |
Frontier Mode Following法 FMF法はeigenvector following法を元にした遷移状態探索手法の1つです。 |
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GROUP | 分子オブジェクト最適化法 | |
IRC_FMF= | n | n番目の固有ベクトルを利用してFMF法での計算を実行する。デフォルトは“1”すなわち1番目の固有ベクトルに沿って対応する遷移状態を探索する。 |
NOOPT | エネルギー計算のみを行う。“OPT=NONE”と同じ。 | |
OPTBY= 例:OPTBY=GRADIENT |
ENERGY GRADIENT |
構造最適化中に最小化する対象を指定する。 デフォルトは“ENERGY” |
TG= 例:TG=2.5 |
ff.ff |
最適化の前計算(最急降下法)における、グラジエントの閾値。 デフォルト:5.0 kcal・mol-1・Å-1 |
GCNVRG= 例:GCNVRG=1.0E-5 |
ff.ff |
構造最適化時において、グラジエントが収束したかどうかの閾値。 デフォルト:1.0E-6 kcal・mol-1・Å-1 |
XCNVRG= 例:XCNVRG=1.0E-5 |
ff.ff |
構造最適化時の原子の変位値が収束したかどうかの閾値。 デフォルト:1.0E-6 Å |
STEEPD= CONGRD= VARMET= NEWTON= |
(Gconverg,Xconverg) | 各手法でのグラジエント(Gconverg)および変位(Xconverg)が収束したかどうかの閾値を指定する。 |
MAXITR_SD= MAXITR_CG= MAXITR_VM= MAXITR_NR= |
n | 構造最適化の繰り返し回数の最大値の指定。_SDは最急降下法、_CGは共役勾配法、_VMは可変計量法、_NRは完全対角Newton-Raphson法にそれぞれ対応する。 |
NOSYMMETRY NOSYMMETRY= |
ON OFF |
構造最適化の際、対称性を判定するための座標変換を行うかどうかを指定する。 NOSYMMETRY=OFF:座標変換を行い対称性を判定する。 NOSYMMETRYまたは NOSYMMETRY=ON:座標変換せず入力構造データから最適化を始める。 デフォルト:NOSYMMETRY=OFF |
FIXED_ATOMS= 例:FIXED_ATOMS=(1,3,5-8) とすると、1,3,5,6,7,8番の原子を固定する。 |
(n1,n2,n3-n4,...) | 構造最適化の際、n1,n2番目等の指定した原子を固定する。n3-n4のようにハイフンを入れた場合は、n3からn4番の原子を全て固定する。このキーワードを入れた時は、自動的に「NOSYMMETRY=ON」が設定される。 |
OPTMZD_ATOMS= 例:OPTMZD_ATOMS=(2,4,9-11) とすると、2,4,9,10,11番の原子を最適化する |
(n1,n2,n3-n4,...) |
構造最適化の際、n1,n2番目等の指定した原子を最適化し、それ以外を固定する。n3-n4のようにハイフンを入れた場合は、n3からn4番の原子を全て最適化する。 このキーワードを入れた時は、自動的に「NOSYMMETRY=ON」が設定される。尚、「FIXED_ATOMS=」と「OPTMZD_ATOMS=」を同時に指定した場合、両方とも無効になり全原子の最適化計算を行う。 |
CONFLEX配座空間探索キーワード
キーワード | オプション | 説明 |
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CONFLEX | 配座探索を実行 | |
SEL= | ff.ff |
配座探索に使用する初期構造の範囲を指定する。“SEARCH=ENERGY”が指定されている場合はkcal/mol、“SEARCH=BOLTZ”ではボルツマン分布による存在比%でそれぞれ探索範囲が規定される。デフォルトではこの値は1 kcal/molで、以下の指定に対応する。 例: SEL=1.0 SEARCH=ENERGY |
SEARCH= 例:SEARCH=ENERGY |
ENERGY BOLTZ |
探索範囲を指定する際の単位を設定する。“SEARCH=ENERGY”が指定されている場合はkcal/mol、“SEARCH=BOLTZ”ではボルツマン分布による存在比%でそれぞれ探索範囲が規定される。 デフォルト:“ENERGY” |
MAXINIT= MAXSTACK= 例:MAXINIT=4 |
n | 試行構造を作成するのに用いる初期構造の数を指定する。 |
MAXCYCLE= | n | 配座探索のサイクル数を指定する。通常の配座探索では探索のサイクル数はSEL値で制御される(“SEL=”参照)ため、ユーザーが指定することはできない。探索サイクルを強制的に設定するこのキーワードは、実際の配座探索でどのくらい時間がかかるかを見積もる時に用いる。 |
ADD_CONFIG_RS= | I | 配座探索中、I番目の原子周りの四面体配置を固定する。I番目の原子がキラル中心でない場合も固定する。 |
ADD_CONFIG_EZ= | (I,J,K,L) | 配座探索中、I-J-K-L二面角により決められたねじれ配置を固定する。J-Kが二重結合でない場合も固定する。 |
DELETE_CONFIG_EZ= | (I,J,K,L) | 配座探索中、自動的に設定されたI-J-K-Lねじれ配置の固定を解除する。 |
FLAP | corner flapが可能な場合実行する。 | |
NOFLAP | corner flapが可能な箇所があっても実行しない。 | |
FLAP_SELECT= | I | I番目の原子をcorner flapさせる原子として指定する。このオプションを指定した場合、自動的に設定されたcorner flap用リストは無視される。 |
FLAP_DESELECT= | I | I番目の原子を、corner flap用リストから除外する。 |
FLIP | edge flipが可能な場合実行する。 | |
NOFLIP | edge flipが可能な箇所があっても実行しない。 | |
FLIP_SELECT= | (I,J) | I-J間をedge flipさせる結合として指定する。このオプションを指定した場合、自動的に設定されたedge flip用リストは無視される。 |
FLIP_DESELECT= | (I,J) | I-J間結合を、edge flip用リストから除外する。 |
SROT | stepwise rotationが可能な場合実行する。 | |
FIXED_SROT_NSTEP= | n | stepwise rotationにより得られる異性体の数をnに固定する。これにより各結合からn-1個の試行構造が得られるようになる。 |
NOSROT | stepwise rotationが可能な箇所があっても実行しない。 | |
SROT_SELECT= | (I,J,N) | 指定したI-J間結合に対して360/N°毎にstepwise rotationを行う。このオプションを指定した場合、自動的に設定されたSROT用結合リストは無視される。 |
SROT_DESELECT= | (I,J) | I-J間結合を、SROT用リストから除外する。 |
SROT_ADD= | (I,J,K,L,N) | SROT用結合リストに、I-J-K-Lねじれ配置を追加して、360/N°毎にstepwise rotationを行う。J-K間が二重結合でも設定することが可能。 |
XSROT_PEPTIDE_BOND | 全てのペプチド結合(CO-NH)をSROTリストから除外する。これにより初期構造でのs-cis/trans立体配置が配座探索中保持される。 | |
CHECK= 例:CHECK=(XCORD,HEAVY) |
配座間の類似性を計る指標を指定する。配座探索では、新たに最適化された構造とすで に得られている構造とを比較することで重複しているかどうかをチェックする。CONFLEX では、完全対角Newton-Raphson法で構造最適化しておりグラジエントが1 .0D-6 kcal・mol-1・Å-1まで達するので、通常はポテンシャルエネルギー値を指標に用いる。しか しまれに、エネルギー値だけでは配座を区別できないこともある。そのため以下の類似 性指標を別途用意している: | |
XCORD | 慣性モーメントを元にした標準配向に再配向させた原子座標の差を比較する。 | |
TORSION | 骨格となる結合周りのねじれ角のRMSDを比較する。 | |
MOMENT | 慣性モーメントの各軸方向の成分の差を比較する。 | |
NOENERGY | ポテンシャルエネルギーの比較を行わずに上記の比較を行う。これを入れないと、常にエネルギー値によるチェックが行われてしまう。 | |
HEAVY | XCORDの比較時に全ての水素原子を無視する。 | |
ESAV= 例:ESAV=6.5 |
ff.ff |
最安定配座からどのくらいのエネルギー差の配座まで保存するかを指定する。 デフォルト:原子数/2 kcal/mol 最安定配座からのエネルギー差がESAV未満の配座を保存し、ESAV以上の構造を破棄する。ESAVが小さいと計算時間は短くなるが保存する配座の数が少なくなり、重要な配座を見逃す危険性が増加する。一方ESAVを大きくすると重要な配座を見出すことが保証されるが、計算時間が長くなる。 |
EDIF_HARD= 例:EDIF_HARD=1.0D-5 |
ff.ff | 配座を比較する際のポテンシャルエネルギーの閾値を設定する。“CHECK=NOENERGY”が指定されていると無効になる。 |
EDIF_LOOSE= 例:EDIF_LOOSE=2.0 |
ff.ff | “CHECK=XCORD” または “CHECK=TORSION”が指定されている時の、配座を比較する第一段階に使用するポテンシャルエネルギーの閾値を設定する。新しい配座が保存されている構造と、このキーワードで指定した範囲内でエネルギー値が近い場合、座標あるいは二面角でチェックを行う。 |
GRMS_HARD= 例:GRMS_HARD=1.0D-5 |
ff.ff | 新しい配座が、すでに得られている構造と同一であるかどうかを判定する際の、グラジエントのRMS値の閾値を指定する。 |
GRMS_LOOSE= 例:GRMS_LOOSE=1.0D-7 |
ff.ff | 構造最適化の途中で新しい配座を判定する際の、グラジエントのRMS値の閾値を指定する。 |
XCOD_MAX= 例:XCOD_MAX=1.0 |
ff.ff | “CHECK=XCORD”を指定した時の、配座同士のデカルト座標の差の最大値を比較するための閾値を設定する。 |
XCOD_RMS= 例:XCOD_RMS=4.0 |
ff.ff | “CHECK=XCORD”を指定した時の、配座同士のデカルト座標の差のRMS値を比較するための閾値を設定する。 |
TORS_MAX= 例:TORS_MAX=1.0D-2 |
ff.ff | “CHECK=TORSION”を指定した時の、配座同士のねじれ角の差の最大値を比較するための閾値を設定する。 |
TORS_RMS= 例:TORS_RMS=1.0D-1 |
ff.ff | “CHECK=TORSION”を指定した時の、配座同士のねじれ角の差のRMS値を比較するための閾値を設定する。 |
MOMT_MAX= 例:MOMT_MAX=0.5 |
ff.ff | “CHECK=MOMENT”を指定した時の、配座同士の慣性モーメントの成分の差の最大値を比較するための閾値を設定する。 |
MOMT_RMS= 例:MOMT_RMS=0.1 |
ff.ff | “CHECK=MOMENT”を指定した時の、配座同士の慣性モーメントの成分の差のRMS値を比較するための閾値を設定する。 |