CONFLEX マニュアル

CONFLEXキーワードオプション

CONFLEXを利用して配座探索や結晶構造探索を行うためには、あらかじめ初期設定ファイル(.ini)を用意してそこに必要なキーワードを入力する必要があります。このファイルが無い場合は、デフォルト設定である「MMFF94s力場を用いた構造最適化」を行います。Interfaceから計算を実行する場合は、Interface上で指定したオプションに従って「.ini」ファイルを自動的に作成します。

コマンドラインから実行する場合は、「.ini」ファイルをテキストエディター等で作成します。

またInterfaceのメニューに用意されていないオプション指定は、対応するキーワードを直接入力する必要があります。以下に、用意されているキーワードとそれぞれの内容を示します。

※1つしかオプションを要求しないキーワードに対して複数のオプションを指定した場合、どのオプションが機能するかは不定です。

力場設定キーワード

キーワード オプション 説明
EMM2 拡張MM2力場を使用する。
MM2 MM2力場を使用する。
MM3 MM3(92)力場を使用する。

MMFF

MMFF94

MMFF94力場を使用する。
MMFF94S MMFF94s力場を使用する(デフォルト)。
DIELEC= f.ff 力場計算で使用する比誘電率を定義する。デフォルトでは、MMFFで1.0、MM2とMM3で1.5が設定される。
DDDIELEC
DDDIELEC=

f.ff
Distance-dependent dielectric (DDD)を導入する。
係数のデフォルト値は4.0。
ELECSTAT=

BCI

NQEQ

BOND_DIPOLE

静電相互作用計算手法を変更する。静電相互作用項は各力場に固有(MMFF94およびMMFF94sではBCI法など)ではあるが、他の手法に変更することも可能である。
PSEUDO_BOND= (I,J,STD,FK) I番目とJ番目の原子間に、中心距離STD(Å)および力の定数FK (kcal・mol-1・Å-2) の調和ポテンシャル関数を用いて擬似的な力を加える。STDとFKを0に設定した場合は、STDには初期構造での距離、FKには10,000がそれぞれデフォルトで設定される。
PSEUDO_DIST= (I,J,STD,FK) 上記「PSEUDO_BOND=」と同じ。
PSEUDO_ANGL= (I,J,K,STD,FK) 結合角I-J-Kに、中心値STD(°)および力の定数FK (kcal・mol-1・Å-2) の調和ポテンシャル関数を用いて擬似的な力を加える。STDとFKを0に設定した場合は、STDには初期構造での結合角、FKには10,000がそれぞれデフォルトで設定される。
PSEUDO_TORS= (I,J,K,L,STD,FK) 二面角I-J-K-Lに、中心値STD(°)および力の定数FK (kcal・mol-1・rad-2) の調和ポテンシャル関数を用いて擬似的な力を加える。STDを360.0以上に設定した場合は初期構造での二面角、FKを0に設定した場合は1,000がそれぞれ設定される。
PSEUDO_OOPL= (I,J,K,L,STD,FK) 面外角I=J-K(-L) に、中心値STD(°)および力の定数FK (kcal・mol-1・rad-2) の調和ポテンシャル関数を用いて擬似的な力を加える。STDを360.0以上に設定した場合は初期構造での二面角、FKを0に設定した場合は1,000がそれぞれ設定される。
PSEUDO_PHI5= (I,J,K,L,M,STD,FK) 5員環の位相角に、中心値STD(°)および力の定数FK (kcal・mol-1・rad-2) の調和ポテンシャル関数を用いて擬似的な力を加える。STDを360.0以上に設定した場合は初期構造での二面角、FKを0に設定した場合は1,000がそれぞれ設定される。
PSEUDO_HALF= (I,J,STD,FK) I-J間の伸長に対して、中心距離STD(Å)および力の定数FK (kcal・mol-1・Å-2) の半調和ポテンシャル関数を用いて擬似的な力を加える。STDとFKを0に設定した場合は、STDには初期構造での距離、FKには10がそれぞれデフォルトで設定される。
PSEUDO_MORS= (I,J,STD,FK,ALFA) I-J間にモースポテンシャルによる擬似的な力を加える。STD、力の定数(解離エネルギー)FK (kcal・mol-1・Å-2)、およびALFAを0に設定した場合は、STDには初期構造での距離、FKには1000、ALFAには+1.0がそれぞれデフォルトで設定される。
SET_VELEC= (I,J) I番目の原子の混成(原子価電子数)をJに変更する。ここでIは原子価電子を変更する原子のシリアル番号で、Jは原子価電子の数である。
SET_CHARGE= (dd,ff.ff)

原子電荷を設定する。例えば、原子1の電荷を0.5とする場合は、次のようにする。

SET_CHARGE=(1,0.5)

AMBER AMBER力場を使用する。

入力ファイルとして、AmberToolsによって作成されたparameter/topologyファイル(拡張子.prmtop)とcoordinateファイル(拡張子.crd)を用いる。parameter/topologyファイルからは、以下のFLAGの項目を読み込んでいる。

  • TITLE
  • POINTERS
  • ATOM_NAME
  • CHARGE
  • ATOMIC_NUMBER
  • MASS
  • ATOM_TYPE_INDEX
  • NONBONDED_PARM_INDEX
  • BOND_FORCE_CONSTANT
  • BOND_EQUIL_VALUE
  • ANGLE_FORCE_CONSTANT
  • ANGLE_EQUIL_VALUE
  • DIHEDRAL_FORCE_CONSTANT
  • DIHEDRAL_PERIODICITY
  • DIHEDRAL_PHASE
  • SCEE_SCALE_FACTOR
  • SCNB_SCALE_FACTOR
  • LENNARD_JONES_ACOEF
  • LENNARD_JONES_BCOEF
  • BONDS_INC_HYDROGEN
  • BONDS_WITHOUT_HYDROGEN
  • ANGLES_INC_HYDROGEN
  • ANGLES_WITHOUT_HYDROGEN
  • DIHEDRALS_INC_HYDROGEN
  • DIHEDRALS_WITHOUT_HYDROGEN
  • AMBER_ATOM_TYPE

但し、以下のFLAGの項目に対応する計算は行っていない。

  • NUMBER_EXCLUDED_ATOMS
  • RESIDUE_LABEL
  • RESIDUE_POINTER
  • SOLTY
  • LENNARD_JONES_CCOEF
  • EXCLUDED_ATOMS_LIST
  • HBOND_ACOEF
  • HBOND_BCOEF
  • HBCUT
  • TREE_CHAIN_CLASSIFICATION
  • JOIN_ARRAY
  • IROTAT
  • RADIUS_SET
  • RADII
  • SCREEN
  • SOLVENT_POINTERS
  • ATOMS_PER_MOLECULE
  • BOX_DIMENSIONS
  • CAP_INFO
  • CAP_INFO2
  • IPOL
  • POLARIZABILITY
  • CMAP_COUNT
  • CMAP_RESOLUTION
  • CMAP_PARAMETER_01
  • CMAP_INDEX
AMBER_BOND= (I,J,K) AMBER用の入力構造データの、I-J間の結合次数をKに設定する。
例:AMBER_BOND=(1,2,2)
AMBER_FCHARGE= (I,K) AMBER用の入力構造データの、I番目の原子に形式電荷Kを置く。
例:AMBER_FCHARGE=(1,-1)

力場パラメーター設定キーワード

キーワード オプション 説明
SET_ATOM_TYPE= (IDX,ATYPE) IDX番原子の原子タイプ をATYPEに変更する。
SET_EXT_ATOM_TYPE= (IDX,ATYPE)

IDX番原子の原子タイプ をATYPEに設定する。

ATYPEの数値は900 以上を指定すること。

STRETCH=

*a)
(I,J,BORDER,FK,STD)

原子タイプI-J間の結合伸縮相互作用パラメー ターを設定する。

I,J:原子タイプ番号

BORDER:結合次数

FK:力の定数(md/Å)

STD:参照結合長(Å)

BEND=

*a)
(I,J,K,RING,FK,STD)

原子タイプI-J-Kの変角相互作用パラメーターを設定する。

I,J,K:原子タイプ番号

RING:I-J-Kが3または4員環に含まれる場合、3または4を設定する。

FK:力の定数(md Å/rad2)

STD:参照結合角(degree)

TORSION=

*a)

(I,J,K,L,BORDER,RING,

V1,V2,V3)

原子タイプI-J-K-Lのねじれ相互作用パラメーターを設定する。

I,J,K,L:原子タイプ番号

BORDER:J-K間の結合次数(0は単結合および二重結合、2は二重結合のみ)

RING:二面角I-J-K-Lが4または5員環に含まれる場合、4または5を設定する。

V1,V2,V3:それぞれcosΦ、cos2Φ、および cos3Φ項の係数

TORSION6=

(I,J,K,L,BORDER,RING,

V1,V2,V3,V4,V5,V6)

原子タイプ I-J-K-Lのねじれ相互作用パラメー ターを6次まで設定する場合にこの キーワードを使用する。

I,J,K,L:原子タイプ番号

BORDER:J-K間の結合次数(0は単結合および二重結合、2は二重結合のみ)

RING:二面角I-J-K-Lが4または5員環に含まれる場合、4または5を設定する。

V1-V6:cosΦからcos6Φまでの係数

OPLANE=

*a)
(I,J,K,L,FK)

原子タイプI-J-K-Lの面外変角相互作用パラメーターを設定する。

I,J,K,L:原子タイプ番号

FK:力の定数(kcal/rad2)

STRBND=

*a)
(I,J,K,FK_IJ,FK_KJ)

原子タイプI-J-Kの伸縮−変角相互作用パラメーターを設定する。

I,J,K:原子タイプ番号

FK_IJ:I-J結合とI-J-K変角のカップリング係数

FK_KJ:K-J結合とI-J-K変角のカップリング係数

VDWATOM=

*a)
(I,DA,ALPHA,N,A,G)

原子タイプIのBuffered-14-7型van der Waals相互作用パラメーターを設定する。

I:原子タイプ番号

DA:水素結合のドナーであればD、アクセプターであればAを指定する。

ALPHA,N,A,G:最小エネルギー分割(RIJ)とポテンシャルの深さ(εIJ)を定義するパラメーターを設定する。

FRMCHG=

*a)
(I,FC,CHARGE)

原子タイプIの形式電荷を設定する。

I:原子タイプ番号

FC:入力ファイルの形式電荷(整数)

CHARGE:計算に用いる電荷(実数)

BNDCHG=

*a)
(I,J,BCI)

原子タイプI-J間結合の結合電荷増分(bond charge increment)法パラメーターを設定する。

I,J:原子タイプ番号

BCI:原子タイプIの部分電荷に-BCI、Jに+BCIをそれぞれ加える。

a) MMFF94s力場のみ利用可能