- 製品&サービス
- CONFLEX旧バージョン
CONFLEX 6 新機能
- 32/64 bit版とマルチコアに対応
- インストールするPC環境に合わせて32/64bit版を選択してインストールできるようになりました。
- タンパク質など巨大な分子の最適化用に、マルチコア/マルチスレッドに対応しました。実行する際に利用するコア数を指定することができます。ただし、配座探索の分散処理には、Parallel CONFLEXをご利用ください。
- 分子オブジェクト分類法の導入
- 複数分子で構成された複合体の計算において、分子単位(分子オブジェクト)で構造最適化や基準振動解析を行うことができるようになりました。
- 指定した分子オブジェクトの配座空間探索を行うことができます。
- 分子力場・構造最適化関連の修正
- 水素原子の位置だけを最適化することがで゛きるようになりました。分子オブジェクト分類法と組み合わせて使うことができます。
- MMFF94sの力場パラメーターの一部を変更、および追加しました。
- 結晶計算関連
- 剛体分子近似下での結晶構造最適化において、格子定数と分子の回転の他、分子の並進自由度も最適化パラメーターとして含めました。
- 結晶構造最適化は、結晶環境下での分子構造最適化(分子構造・分子回転・分子並進の最適化)、剛体分子近似下での結晶構造最適化(格子定数・分子回転・分子並進の最適化)、完全結晶構造最適化(分子構造・分子回転・分子並進・格子定数の最適化)の3種類としました。また、各最適化において、最適化パラメーターは全て同時に最適化されます。なお、利用可能な最適化手法は最急降下法と共役勾配法です。
- 結晶構造最適化における収束条件を、エネルギー勾配の平均二乗差が10-4より小さく、かつ原子位置変位の平均二乗差が10-5よりも小さいこと、としました。
- 非対称単位に複数の分子が存在する場合、格子エネルギーは、非対称単位の分子における分子間相互作用エネルギーと、非対称単位の分子と対称操作により展開した分子との分子間相互作用エネルギーの和として定義しました。
- その他
- 異なるMDL/MOL形式が連続するMDL/SD形式分子ファイルを入力し、構造最適化を一括して実行することができるようになりました。その際、出力ファイルをまとめることも、分割することも可能です。
- 分子力場関連
- OpenMPによるマルチスレッド化を部分的に行いました。マルチコアCPUを搭載したマシンにおいて、構造最適化などのパフォーマンスが向上しました。
- 水素原子の位置だけを最適化するオプションを追加しました。従来から導入されていた水素原子自動追加機能と組み合わせると、結晶構造の利活用の際に便利です。
- 荷電子数を古典的に扱うことが難しい元素を含む分子を力場計算で扱うため、指定原子の荷電子数を設定できるようにしました。
- 静電相互作用エネルギーの計算法を他の力場で使われている手法に変更できます。
- 配座探索関連
- 部分構造の配座探索を行うために、構造摂動法FLAP/FLIP/SROTの選択的指定が簡単にできるようにしました。
- NMR-NOE情報などに基づいた原子間距離制限による構造最適化や配座探索を行うため、Half-Harmonic関数とMorse関数を使ったPseudo Force計算を導入しました。
- 立体配座解析機能
- Imai-Karplus式によるNMRの結合定数計算法(3JHHM)を導入しました。
- 結晶計算関連
- 結晶計算の実体アンサンブルとなる単位格子を拡張するためのオプションを追加しました。これを指定することで、拡張格子(スーパーセル)を実体アンサンブルとする結晶計算を容易に実行することができます。
- CIF形式の分子構造入力ファイルを用いた場合、結合次数や原子電荷の指定をできるようにしました。
- 原子のシリアル番号や原子番号で指定した原子に関わる結合長を任意の長さに設定できるようにしました。
- 水素原子の結合長を指定した力場の標準結合長に一括して修正できるようにしました。
- 溶媒効果関連
- オクタノールの溶媒効果パラメーターを決定しました。これにより、オクタノールを溶媒として構造最適化を行うことが出来るようになりました。
- LogP自動計算機能を追加しました。水とオクタノールの溶媒効果を自動的に求めて、算出します。
- 溶媒接触可能表面積(SA)計算の、計算手法およびパラメーターを改良しました。
- GB/SA計算に用いるvdW半径算出法を改良しました。
- 結晶計算の改良
- 結晶計算の並列処理を全面的に改善しました。
- 結晶エネルギー計算と結晶構造最適化を、並列分散処理を行なうように修正しました。
- 全ての空間群で、分子間相互作用エネルギーの解析的微分が求められるようにしました。
- 一部の空間群において、分子間相互作用エネルギーの解析的微分を正しく求められなかった問題を修正しました。
- CMF形式の分子構造ファイルを入力として用いて孤立系の構造最適化を行った場合に、最適化構造と入力構造の全原子を対象とした重ね合わせを行なった後に種々の出力を行なっていましたが、これを重原子のみの重ね合わせに変更しました。
- vdW相互作用エネルギーと静電相互作用エネルギーを出力する際、オリジナル分子が存在するUnit Cell内のみの各エネルギーの合計を出力していました。これを、結晶計算の対象となった全vdW相互作用と全静電相互作用エネルギーをそれぞれ出力するように変更しました。格子エネルギーはこれらのエネルギーの和として定義されます。
- オリジナル分子に複数の分子が含まれる場合、出力される全原子数が正しくなかった点を修正しました。
- 簡易ホモロジーモデリング
- PDB形式の分子構造ファイルで入力分子構造が与えられた時、簡易ホモロジーモデリングを行うことが出来るようになりました。
- 力場の改良
- ねじれ角パラメーターの自動生成機能を追加しました。
- ユーザーによる原子タイプの指定ができるようになりました。
- MM2,EMM2,MM3のbond stretchに関連する交差項に、電気陰性度修正(Electronegativity correction)を適用するように修正しました。
- MM3力場などにおいて、化学効果による伸縮や変角のパラメータ補正が正しく適用されていなかった問題を修正しました。
- Fe,Znイオン錯体の計算を行う時に生じるエラーを修正しました。
- 多数のMMFF94s用パラメーターを追加しました。
- 配座探索関連
- 配座異性体が存在しない分子に対して、並列配座探索を行った場合に生じる問題を修正しました。
- 溶媒効果を取り入れた構造最適化・振動解析計算(MMFF94s)
- GB/SAモデルを用いた計算が、構造最適化・振動解析および配座解析まで適用範囲が広がりました(CONFLEX5では、初期構造あるいは孤立真空中の最適化構造に対する溶媒効果しか評価できませんでした)。利用できる分子力場はMMFF94sです。
- 気相中および溶媒中における構造最適化を自動的に行い、それぞれで得られたエネルギーから溶媒和による安定化エネルギーを求めることが出来ます。ただし、配座探索と同時に計算することは出来ません。
- 結晶構造最適化
- CONFLEX独自のアルゴリズムに基づき、結晶構造計算を行うことが出来るようになりました。X線結晶構造が既知である有機化合物に対して、配座異性体や分子配向の違いに由来する様々な結晶構造を最適化することが可能です。それにより、結晶多形のエネルギー評価を容易に検討することができます。また、類縁化合物の結晶構造が知られていれば、未知の結晶構造についても、計算することが可能です。
- アミノ酸残基置換機能の追加:PDBファイルオプション
- CONFLEXの入力ファイルとしてタンパク質構造データベース(Protein Data Bank: PDB)のファイル形式(.pdbファイル)を用いた場合に限り、ユーザーが指定したアミノ酸残基を任意の必須アミノ酸残基に置換できるようになりました。この「アミノ酸残基置換機能」によって、構造既知のタンパク質の一次配列を変更することが可能になり、ホモロジーモデリングと同様な操作が可能になりました。
- PDBの登録データには、いくつかのアミノ酸残基の側鎖原子の座標情報が欠落していることがあります。このような不完全なPDB登録データを入力構造ファイルとしてCONFLEXを実行した場合に、エラーメッセージを出力するようにしました。また、新たに追加された「アミノ酸残基置換機能」を用いて、欠落していたアミノ酸残基の側鎖原子座標を発生させ、正しい分子構造の計算が実行できるようになりました。
- 配座探索オプションの追加
- 回転異性体が予想される結合のStepwise Rotationのステップ数を、指定できるようになりました。これによって、高分子材料や生体高分子の、限定的な配座探索も可能になりました。ただし、この方法を用いると十分な配座探索が出来ないため、得られた配座異性体を解析する際には注意が必要です。
- MMFF94s用力場パラメーターの追加
- 弊社で開発したMMFF94s用の力場パラメーターを追加しました。これによって、MMFF94s力場で計算できる分子種が増えました。
- フロンティアモード追跡(FMF)法 (配座変換遷移状態探索)
- 配座変換の遷移状態を探索するため、独自に開発したフロンティア振動モード追跡法を導入しました。ただし、現時点では利用方法は限定されています。
CONFLEX 5 新機能
溶媒効果
一般化ボルン法(GB/SA)による溶媒効果の計算が追加されました。
- 通常の構造最適化を行った後、その構造に対してGB/SA法を使用した解析を行い溶媒効果を見積もることができるようになりました。
- 使用できる溶媒は現在のところ、“水”と“オクタノール”です。
参考文献:
D. Q. Peter, S. Shenkin, F. P. Hollinger, W. C. Still,
J. Phys. Chem. A, 1997, 101, 3005-3014.
S. A. Best, K. M. Merz Jr., C. H. Reynolds,
J. Phys. Chem.B, 1997, 101, 10479-10487.
A. Cheng, S. A. Best, K. M. Merz Jr., C. H. Reynolds,
J. Mol. Graph. Mod., 2000, 18, 273-282.
力場オプション
構造最適化に使用する力場に、擬似的な力を付加できるようになりました。力場エネルギーを計算するポテンシャルに対して、ユーザーが力を付加させることが 可能になりました。これにより、ある構造の一部を固定できます。適用できるのは、以下の項目です:
- 2原子間の結合距離
- 結合していない2原子間の距離
- 3原子間の結合角
- 4原子間の二面角
- 4原子間の面外変角
- 5員環の位相角
構造最適化オプション
構造最適化のオプションに "FAST" と "PRECISE" が追加されました。
- "FAST" は大きな分子用に用意されたもので、手法はConjugate gradientを用い、収束条件が緩やかに設定されます。
- "PRECISE" を指定すると、Steepest Descent -> Conjugate gradient ->Full-matrix Newton-Raphson それぞれの手法を用いて順番に最適化して行きます。
配座探索オプション
自動的に追加されるキラル中心の絶対配置(R/S)や二重結合の幾何異性体(E/Z)のチェック機能にユーザーが任意に指定した絶対配置と幾何異性体のチェックを加えることができるようになりました。 これにより、これまで配座探索の際に起こることのあった、番号付けに依存した擬キラルや偽幾何異性体への異性化を除外できるようになりました。
ペプチド結合(CO-NH)を結合回転リストから除外
タンパク質などペプチド鎖を含む分子の配座探索を行う際に、ペプチド結合(CO-NH)、φψ結合(CONH-Cα-CONH)、および側鎖(ペプチド結合とφψ結合以外の結合全て)を選択的にStepwise Rotationによる結合回転リストから除外できるようになりました。特に、ペプチド結合のねじれ角は幾何異性体のチェックの対象になるため、初期構造のs-cis/transにのまま配座探索を行うことができます。また、これらの機能を組み合わせることにより、ペプチド鎖の骨格のみや、残基側鎖のみの配座探索を行うことも可能になりました。
振動動力学解析機能
振動動力学解析機能が追加されました。単振動だけでなく、複数の振動モードを合成することにって、配座に依存した動力学解析が可能になり、反応やフォールディング経路に関する初期解析に利用することが出来ます。また、-V.sdfファイルに各ステップでの立体構造とエネルギーが記録されます。BARISTA使うと動画表示だけでなく、各ステップの変位構造をMDL-MOLファイルとして保存することも容易です(※)。
※BARISTAも同様な振動動力学解析機能を装備していますが、エネルギーの変化を追跡する場合には、CONFLEXの振動動力学解析が必要です。